2006年09月12日

第12期 農塾「有機農業の風をつくる。」

 先日、大有研第12期農塾の一回目が開催されました。

 第一回目の講師は大有研の前代表で、日本有機農業研究会理事の尾崎零さん、講演のテーマは「有機の風をつくる。」です。

 

 有機農業がムーブからブームへ、そして更なる広がりへー「生きるというのは、食べるということ。」 たべることの大切さを認識されにくくなっている

 70年代高度経済成長は、豊かさのため(目的)の経済(手段)が、経済が先行してしまって合理性を優先するようになってしまった。その影の部分として環境破壊などが起こる。また、ヒソミルク事件のように食品公害の起こり、食への危機感が高まり、有機運動が始まる。 「有機運動の風」

 80年代は産消提携が始まる。東京の消費者グループと千葉の三芳村の生産者さんの繋がりがモデルケースとなる。それまでなかった有機での野菜作りの代わりに、全量買取・災害時などの保証金の確保・価格を生産者が決めるという今までにない消費者と生産者の関係。有機的で、顔の見える関係の始まり。また、有機農産物を取り扱ったり、商品化されたりし始める。 「有機農産物の風」(ただしまだ物だけをみて、農業の発展へと繋がらない。)

 90年代はバブル崩壊後の「保障無き時代」の始まり。バブル崩壊後、経済優先の価値観の歪みが出る。温暖化などの世界的な環境問題や企業倫理への不信感。食生活の乱れと精神性の関連が言われ始める。(交通事故よりも多い、自殺者数。)地方都市への回帰など、生き方としての就農への関心が高まる。終身雇用などの守られた時代から、自立への時代へ。 「農的暮らしの風」

 現在は有機JASやポジティブリストなど、有機農業の法制度が少しつづ進む。(きっかけは輸入有機への取扱から、国内でも有機農産物への対応が必要となる。)さらに有機農業推進法制定(理念法)を目指して、より明確に有機農業への理解・必要性を広げていく。医療費の増大という面からも、食育が盛んにいわれるようになる。 「社会システム化の風」

 生きることは、食べること。日本では、その礎となる農業をはじめてする第一次産業が衰退の一途を辿っている。国内自給40%・有機農産物については0.16%という現実。食糧の量も安全性も確保するのが難しいのが現状になってしまっています。 今期の大有研は、環境や命にとってより良い物を食べるをたいせつにする「有機の風」が広まることを目標に頑張っていきたいと思っています。

posted by 大有研 at 03:40| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | イベント案内 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月10日

「初心者のための有機野菜作りセミナー」 

 ブログでもイベント告知しました大有研の「初心者のための有機野菜作りセミナー」の振り返り記です。

 まず、堺市の都市近郊で有機農業に取り組む今野正章さんの講師に迎えての講習会。

 有機農法においての土作りのお話。植物を育てる三大要素の窒素・リン・カリのバランスや、それを補うためにつかう有機質肥料や原肥・追肥についてのお話。畝作りについてのお話などをかなり具体的な説明をしてくださいました。

 室内での講習ということもあり、実際に土をさわる前の予習的な内容でした。今野さんの説明はとても現実的で、肥料配合や追肥のタイミングなど、ベランダ菜園においてもかなり参考になる内容でしたよ。
 

DSCN1498.JPG第二週目は、新金岡にある今野さんの畑を見学させて頂いた後に、すぐ脇の畑にて実際に畝を作るところからスタート。まず、今野さんから第一回の講習会の内容をおさえての簡単な説明。

今回、植えたのはトマトとサツマイモ。そして、インゲン豆です。トマトとサツマイモは、苗木を今野さんが用意してくださり、いんげん豆は種から植えました。今野さんに手本を見せて頂きながら、参加者全員で早速チャレンジです。

 @鍬で畝の両側を掘ってはらを作りながら、畝に土をかぶせてさらに高くし、それを鍬の側面をつかってならす。それを少しずつ繰り返して、進んでいきます。

 A畝の真ん中に15cmほどの溝を作り、その溝に堆肥をまきます。堆肥をたっぷりまいた後は、一度土を被せます。

 B畝に約40cm間隔で小さな穴をつくり、そこに苗木を植えます。

  C定植した畝に水をまいたり、藁を被せたり、鳥に食べられないようにネットを張ったりして終了。

DSCN1497.JPG 文字にするととても簡単なようですが、鍬で深く掘ったりするのはかなり力がいります。というより、力任せに動かして、なかなかスムーズに進みません。今野さんは、スイスイ進んでいくのに・・。怒られるかもしれませんが、さすがプロですね。今野さんが作った畝はとても綺麗に出来上がってます。
今回のイベントでは、定植まで。順調に行けば、5月中旬頃にいんげん豆の芽が出るそうです。

 作業終了後、今回参加してくださった方々と簡単な懇談の時間を持つことが出来ました。参加者の方には、野菜嫌いな小さなお子さんを連れた方や今まであまり野菜を食べなくてそれを見直したいと考えている方、家庭菜園の参考にと参加された方など、実にいろいろな目標の方が集まりました。このイベントが、少しでも参加してくれた方と食・農との架け橋になれば嬉しいのです。

 大阪府有機農業の取り組みとして、今後も「農塾」を通じて有機や農業・就農も興味を持つ方へのセミナーや生産者見学、秋には「プロジェクト耕」にて今回のように参加者自ら畑を開拓するイベントを計画中です。もし、よろしければ、参加してみませんか。

 

 

posted by 大有研 at 12:20| 大阪 ☁| Comment(0) | TrackBack(1) | イベント案内 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は90日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。